ひとり言
2016年07月17日
大塚なべ家さんの器
江戸料理で有名な大塚のお店 なべ家さんから、器を分けて頂きました。
実は、なべ家さんは先月惜しまれながらも、80年続いたお店を閉められてしまいました。
ご主人の福田さんとは、蕎麦屋さんの勉強会や普段の築地での仕入れでもよく一緒になっていて、以前から懇意にさせて頂いていました。それで、今回 お店で使用していた器を分けてあげるよと、お声を掛けて下さいました。
二階のお座敷には、文字通り足の踏み場もないほどの器や調度品が並べられており、さながら骨董品屋さんのようです。今では亡くなられた高名な作家さんのものや、江戸・明治期のものもゴロゴロしています。
その中から、比較的お手頃でうちに合う器を何点か分けて頂きました。
なべ家さんの前身は、蓬莱屋という料亭で、戦後しばらくの間までは、何とうちの数軒隣で営業されていました。
並びの須賀神社で婚礼の儀式をした後 渡り廊下でその料亭に移り、披露宴をしていたといいます。
なべ家さんの所有の器の約半数は、その当時の蓬莱屋さんからのものだそうです。
今回頂いた器の中には、もしかしたら蓬莱屋さんからの器もあるかも知れません。だとしたら、70年くらいの時を経て、その器達は浅草橋に里帰りしてきたことになる、と考えると、何だか感慨深いものがあります。
ちなみに、年代物の器類に混じって、なぜかミッキーマウスの栓抜きがあったので、これも分けて頂きました。