季節のこと
2016年07月01日
たこ飯と半夏生(はんげしょう)
小栗旬さんが出ているほんだしのCMでの「出汁炊きたこ飯」を見たら無性に食べたくなってしまったので、昨日 お店の賄で作ってみました。
蛸からでた出汁と新生姜のピリッとした爽やかな辛味が食欲を大いにそそりました。
関西出身のお客様から伺ったのですが、主に関西地方では、半夏生の日には蛸を食す習わしがあるとのこと。私にとっては、初めて知ることでした。
半夏生とは、夏至の日から数えて11日目の日を言います。二十四節季とは違う、主に農耕で用いられる雑節で、今年は、今日 7月1日が半夏生の日に当たります。
半夏というドクダミに似た薬草が生え出す日という意味で、その日までに田植えを終わらせないと、稲の生育が悪くなり、秋の収穫量が半減してしまうという意味合いで作られた暦日です。
そして、関西では 米の豊作祈願に この日には蛸を食べる風習があります。蛸の八本足のように稲がしっかりと田んぼに根付いてくれますようにという、願掛けの意味合いだそうです。明石海峡や瀬戸内海は蛸の名産地ですし、関東以上に 蛸が風土の食文化に浸透していることがうかがえる風習です。そういえば、タコ焼きも関西発祥だしなと、一人で納得してしまいました。
弊店は手打ち蕎麦の専門店ですので、炊き込みご飯をお店で提供することはないのですが、個人的には季節の食材を混ぜて作る炊き込み御飯は大好きで、お店の賄でも休日の家庭でもよく作ります。
この時期ですと、空豆ご飯やえんどう豆のご飯、とうもろこしご飯に、新生姜と茗荷のご飯が私のレパートリーです。
その時の旬の食材を使って作る炊き込みご飯を食べる時、気候風土に恵まれた自然豊かな国に生まれた幸せを実感し、四季折々の食材を楽しむことができることに感謝の気持ちでいっぱいになります。